Re: 売り上げ原価 ( No.1 ) |
- 日時: 2009/07/08 14:44
- 名前: 開哉散
- 「仕入」や「売上」の勘定を用いて処理をする方法を「三分法」といいますが、
この三分法が、簿記における最初の難関かもしれません。 でも、わかってしまえば大したことないですから、ぜひ頑張ってください。
さて、それでは三分法の説明です。
簿記の目的は、最終的な儲け(=純利益)を計算することですよね。 500円で商品を買って、それを800円で売った。 売った際に運賃200円がかかったとしたら、 最終的な儲け(=純利益)は100円です。 このように、在庫もなく、単発の商売なら計算は簡単です。 しかし、商売は普通、在庫を持ち、多品種の商品を扱っています(コンビニを想像してください。)。 売上高は、レジに入っているお金を数えればわかります。 また、その月にいくら仕入れしたかも、納品書の金額を合計すればわかります。 ところが、その売上高に対する売上原価がいくらか、 すなわち、その売上を作るのにどれだけの商品がなくなったかは、そう簡単には分かりませんよね。 売上原価は、「その月に仕入れた金額」ではありません。 なぜなら、その月に仕入れて売れ残ったものもあるし、売った商品の中には前月に仕入れたものもあるからです。
設問を例にとってみましょう。 売上高1200円に対し、当月仕入は1000円だから、 当月のもうけは200円 ではないですよね。これでは、在庫の増減を加味していません。 つまり、当月仕入高そのものは、売上原価ではないのです。
三分法は、要するに「売上原価を求める方法」です。
繰り返しになりますが、
売上原価とは、売上をあげるためになくなった商品の金額
です。 売上原価の計算とは、販売されてなくなった商品の金額を求めることに他なりません。 これこそが、
売上原価=期首在庫+当月純仕入−期末在庫
の計算式の意味なのです。
次に、売上原価を計算する仕訳の意味についてです。
@「仕入 200/繰越商品 200」という仕訳
この仕訳は、「期首在庫を仕入高に移した」という意味です。 この仕訳によって、仕入勘定は期首在庫金額分増えて、一方、繰越在庫勘定は0になっています。
設問においては、この時点で、仕入勘定は1200円になっています。
A「繰越商品 300/仕入 300」という仕訳
この仕訳は、「仕入高から売れなかった分(期末在庫)を取り除いた」という意味です。 この仕訳によって、仕入勘定は期末在庫金額分減って、一方、実際に残っている商品300円分が 資産として計上されています。
設問においては、この時点で仕入勘定は900円になっています。
ここで、@Aを注意深く見てください。
「当月仕入に期首在庫をたして、期末在庫をひいている」
ことをもう一度確認してください。 確認したら、さっきの売上原価を求める計算式を注意深く見てください。計算式の右側は、やっぱり
「当月仕入に期首在庫をたして、期末在庫をひいている」
です。つまり、
@Aの仕訳を行ったあとの仕入勘定の残高は、売上原価金額になる
ということで、これが仕入勘定上で売上原価を計算するということなのです。
設問では、売上原価900円で、それに対する売上は1200円(たぶん千の位を書きもらしたのでしょう) ですから、当月の利益(売上総利益)300円が得られます。
以上でいかがでしょうか
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Re: 売り上げ原価 ( No.2 ) |
- 日時: 2009/07/17 09:42
- 名前: マイルス
- 開哉散様
返信遅れてすいません。 丁寧な回答説明ありがとうございました。 プリントアウトして毎日電車の中で読み返していました。まだ完璧といかないかもしれないですが なんとか理解できつつあります。 今後ともよろしくお願い致します。
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