Re: どうしよう・・・為替手形 ( No.1 ) |
- 日時: 2004/04/28 16:50
- 名前: フラウ
- 為替手形は三者間での取引の場合に使用することはお分かりだと思います。
要は、債権(お金を貰う権利)と債務(お金を支払う義務)の関係がわかれば難しくないですよ。 どこに債権債務が発生し、それがどのように処理されるかだけですので。
商品を仕入れた場合、当然に債務が発生します。 通常であれば、仕入先にその代金を支払いますが、他の企業に債権を持っている場合、その企業に対する債権と仕入先に対する債務を相殺します。 (借)仕入 XXX (貸)買掛金 XXX (借)買掛金 XXX (貸)売掛金 XXX
売主はどこの企業から代金を貰っても、お金はお金ですので仕訳は難しくはないですよね? (借)売掛金 XXX (貸)売上 XXX (借)受取手形 XXX (貸)売掛金 XXX
代金を肩代わり(?)する企業については、買掛金などの債務がなくなる代わりに、支払手形という新たな債務が発生するだけですのでこれの処理は難しくはないです。 (借)買掛金 XXX (貸)支払手形 XXX
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Re: どうしよう・・・為替手形 ( No.2 ) |
- 日時: 2004/04/30 10:52
- 名前: 西村丈治
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- この欄で為替手形の処理については何回も同じような質問が出ています。
何事も基本をきちんと認識、理解することが重要です。 為替手形では手形関係の当事者が3人います。
1人は手形を振出す人です。(つまり振出人)
いま1人は手形の名宛人です。名宛人は引受によって手形の支払人になります。
もう1人は手形の受取人です。
厄介なのは手形の振出人と受取人が同一人になったり、手形の振出人と支払人が同一人になる場合があることです。 つまり具体的に存在する為替手形は 振出人、名宛人、受取人の三者の人格がそれぞれ異なる場合(典型的な為替手形の態様、形式)以外に上記のように振出人と支払人が同一人物である場合(実質的には支払手形)や振出人と受取人が同一人物である場合(実質的には受取手形)があるために3級簿記のなかでは最も複雑な分野に属しています。 したがって東京商店は大阪商店を名宛人(引受によって支払人)とし、福岡商店を受取人とする100万円の為替手形を振出しましたという基本形を東京商店、大阪商店、福岡商店のそれぞれの立場から仕訳を行なうことによって徹底的に認識、理解しますと自ずから応用能力がついてきます。 換言しますとパターン処理で丸暗記せずに、多少は時間をかけて理解を深めますと結果的に急がば回れで実力がつきます。
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為替手形のイメージ(1) ( No.3 ) |
- 日時: 2004/04/30 11:04
- 名前: あんだんて
- <為替手形のイメージ:お金の貸し借り編>
ある日のこと、午後から学校に顔を出した長谷川は、教室に入ろうとしたところを、入れ違いに教室から出てきた鈴木に声をかけられた。鈴木とは1年のときから同じサークルで、親友とまではいかないが、なんとなく気の合う友人であった。 鈴木:「よ、長谷川。今日は午後からか?」 長谷川:「おう。おまえは今日はもう終わりかよ?」 鈴木:「ん、いや、ちょっと夕方から用があるんでな…」 鈴木は一瞬黙ったが、気を取り直したように再び口を開いた。 「あのさー、悪いんだけど、ちょっと金貸してくんない? あさってにはバイト代入るし、必ず返すからさ。」 いつもよりも若干明るめの調子で、変に声が高かった。 長谷川:「…いくら?」 鈴木:「んー2万、といいたいけど、とりあえず1万あればいいや。お願い!」 最後のお願いには、手を合わせて拝みこむようなしぐさが一緒についている。 その動作を見た長谷川は、少し笑いそうになったが、少し意地悪くこう言った。 「俺もあんまり金ないんだよなー。マジで1万ちょっとしかないし。」 意地悪というか、実際に長谷川の財布には1万2千円しか入っていなかった。 長谷川:「そこをなんとかさ、必ず返すから。」 再び頼み込むように頭を下げる。人間、こういうときには平気で頭を下げるんだな、と妙なことを考えつつ長谷川は財布をとりだした。長谷川が財布から1万円札を抜き出すのを見た鈴木は、明らかにラッキー!という表情を浮かべた。 鈴木:「サンキュー、必ず返すからな、ありがと!」 同じ様なことを何度か口にしながら、鈴木は教室を後にした。 <続く>
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為替手形のイメージ(2) ( No.4 ) |
- 日時: 2004/04/30 11:05
- 名前: あんだんて
- <為替手形のイメージ:お金の貸し借り編>
教室に入ると、すでに席に着いていた田辺を見つける。お互いに軽く手をあげて挨拶すると、長谷川は田辺の隣に腰掛ける。 「よ、お疲れ。」 実際にはこれから講義が始まるのだが、とりあえずお疲れというのが彼らの挨拶になっていた。田辺とは、週に3回やっているバイトでちょくちょく顔を合わせる仲だった。お互いバイト先で知り合ったのだが、年齢も学校も一緒とあって、すぐにうち解けることができた。田辺が長谷川に声をかけた。 田辺:「今日出勤だっけ?」 ちょっと間をおいて、不思議そうに長谷川が答える。 長谷川:「今日?出勤だよ。なんで?」 その表情を見た田辺が、逆に不思議そうに問いかける。 田辺:「あれ?聞いてないの?」 長谷川がきょとんとした表情をつくると、続けて田辺が口を開く。 田辺:「ほら、渡辺さんているじゃん。チーフの。あの人、今度結婚するんで、店辞めるんだって。それで今日、店終わってからバイト同士で送別会やることになったんだけど…、聞いてない? 電話まわしたんじゃなかったっけ。」 逆に驚きの表情をつくり、長谷川が答えた。 長谷川:「え、マジ?マジ聞いてないよ。そーなんだ…」 と、答えると、再び田辺が口を開いた。 田辺:「でさ、みんなでお祝いをあげることになったんだけど、1人3,000円ね。あとで斉藤さんに渡しといて。」 そこまで聞いたとき、長谷川は、はっと気がつき、思わず口に出した。
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Re: どうしよう・・・為替手形 ( No.5 ) |
- 日時: 2004/04/30 11:23
- 名前: あんだんて
- 長谷川:「やべ、俺今、2,000円しかねーや。」
冷ややかな口調で、田辺が言う。 田辺:「…足りねーじゃん。…。しょーがねーなー。じゃ、飲み代も合わせて1万貸しとくから、必ず返してな。」 長谷川:「じゃ、悪いけど借りとくね。サンキュ。」 と、すまなさそうな声で差引き7,000円を受取り、財布に収めたところで、講師が教室に入ってきた。 …こうして、この日は過ぎていった。 翌日、二日酔いにもめげずに朝から学校に行った長谷川は、学校の手前で鈴木と鉢合わせた。 鈴木:「よ、なんだかねむそーだな。」 長谷川:「わり、きのう2時まで飲んでたからさ。」 と、ここまで言ったとき、はっと気づいたように鈴木に言う。 長谷川:「そうそう、昨日1万貸したじゃん。」 聞くと、鈴木も声を出す。 鈴木:「おう、サンキューな。明日返すからさ。」 長谷川:「その1万なんだけどさー、俺じゃなくて田辺に渡してくんない?俺あの後、田辺から1万借りちゃったからさ。」 と聞くと、鈴木が 鈴木:「あ、そうなんだ、ゴメンな。でも、おかげで助かったよ。」 …こうして、さらに翌日、鈴木から田辺に無事に1万円が手渡されたのであった。 これを踏まえて、次のレスでもう少し解説します。
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為替手形のイメージ(やっとラスト) ( No.6 ) |
- 日時: 2004/04/30 11:25
- 名前: あんだんて
- ここでは、先ほどの例を踏まえながら解説していきます。
この場合は単純にお金の貸し借りでしたが、この状況を現金ではなく手形を使って行ったのが「為替手形」の状況です。 ここに出てくる3人を為替手形に当てはめると、長谷川君は、鈴木君にお金を貸し、逆に田辺君からお金を借りたという状況になっています。 このように、出費も収入(売掛金と買掛金)も両方あった人のことを「振出人」といいます。 そして、お金をかえさなければいけない鈴木君が「名宛人(支払人)」 お金を返してもらう田辺君は「指図人(受取人)」となります。 ポイントとして、為替手形の場合には、 「○○商店あて」とある場合には、あてのついている商店が支払人となるので、 あて=支払い と覚えておいて差し支えないでしょう(前のストーリーの場合は鈴木君)。 ですので、あてのつく商店の仕訳の貸方は、必ず「支払手形」となります。 そして、「○○商店受取り」とあれば、その商店が指図人(受取り)になるので、 仕訳の借方は、必ず「受取手形」となります(前のストーリーの場合は田辺君)。 そして、あても受取りもつかない商店が振出人(前のストーリーの場合は長谷川君)となり、仕訳は (借)買掛金 ××× (貸)売掛金 ××× となります。この仕訳は決まっているので、このまま覚えておいて差し支えありません。
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