■ 貸借対照表 ■

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■ 貸借対照表について ■

 またまた難しい用語が出てきました。(笑) たいしゃくたいしょうひょうと呼びます。長ったらしいですが、大したことはありませんよ。それでは、見ていきましょう。

 先ほどの損益計算書のお話では、一定期間ごとに集計を取ってその一定期間の儲けを把握しました。貸借対照表は、一体何を把握するのでしょうか?簡単にいえばある時点での財産がどれ位あるのかを把握します。

 損益計算書では一定期間、つまり○○月××日〜○○月××日の純粋な利益を計算するのに対して、貸借対照表は、今現在の時点でどれ位の正味財産を有しているかを計算します。厳密には少し違うかもしれませんが、イメージ的にはこう考えて間違いありません。

 まとめて見ますと、損益計算書は線で把握するのに対して、貸借対照表は点で把握する事に注意してください。

■ 資 産 ■

 それでは、貸借対照表の中身についてみてみましょう。まずは資産(しさん)についてみてみます。

 イメージ的にはなんか多ければ多いほどいいような気がしませんか?全くそのとおりで、貨幣・硬貨・小切手などの現金のほか他人などに対する売掛金などの債権、保有している建物や仕入れた商品などの有形物が該当します。(その他いろいろあるのですが、簿記初学者を前提にしているため割愛します。)

  現金・当座預金・売掛金・有価証券・商品・建物etc

 ちなみに資産項目は借方項目(箱の左側)になりますが、あんまり借方・貸方を頭の中で考えないほうがいいですよ。こういうのは勝手に体で覚えていくものですからね。

■ 負 債 ■

 さあ、次は負債(ふさい)を見てみましょう。イメージ的にはさっきと逆ですね。少なければ少ないほど良さそうですね。負債と聞いてここまでイメージできた方はかなりの簿記センスがありますよー。

 具体的には、他人などの第3者に対して支払うべき義務を負っているものをいいます。例えば商品を後払いで仕入れたときの買掛金、銀行なんかでお金を借りたときの借入金、その他支払手形なんかがこれに相当します。

    買掛金・支払手形・借入金・社債etc

 負債項目は、貸方項目(箱の右側)になります。何度もいいますがあんまり深く考えないで進めてください。さっき習った収益項目(おいしい。)とあんまり嬉しくない負債項目がどうして同じ貸方項目なんだ?!なんて考えると私みたいにかなりの時間を無駄にしてしまいます。

■ 資 本 ■

 最後に資本(しほん)を見ていきたいと思います。余談になりますが、簿記上資本というのは非常に奥が深い学問です。専門の学者さん達の間でもいろいろな考え方が発表されています。ここでは、そこまで深く考える必要はないと思います。フフフ・・・

 簡単にいえば、元手。そのままですね。それでいいでしょう、一般に資本といえば会社の設立資金であり運転資金でもあります。借金とは違って誰にも返す必要のない留保されている資金を資本とイメージしていただければいいと思います。また、会社が獲得した純利益も会社に留保されている資金であり資本金となります。

■ 貸借対照表の結論 ■

 それでは、貸借対照表をまとめてみましょう。貸借対照表はある一時点の財産の状態を把握するために作成する表であります。(注 正確には財政状態というのであるが詳しくは割愛します。)

貸借対照表

 左の表を見てください。これは、貸借対照表を簡単に図で表示しています。ちょうど真中を中心に左右に箱が分かれていると思います。左側が借方、右側が貸方です。

 この表を見ると、資産項目は借方であり負債項目と資本項目は貸方である事が分かります。

貸借対照表においても次のような算式が成立する事が分かります。

 資産=負債+資本 これは、貸借対照表等式と呼びます。

 資本=資産−負債 これも成立します。これは、資本等式と呼びます。

 損益計算書と同じく貸借対照表でも左右の借方と貸方の金額は常に一致しています。是非、覚えておいて下さい。

 上の図では資本の中に当期純利益が含まれています。実は、貸借対照表からも当期純利益を計算することが出来ます。具体的には、今回の時点で作成した貸借対照表の資本金額から前回のある時点で作成した貸借対照表の資本金額をマイナスすれば、前回の時点と今回の時点の期間の純利益が算定できます。


 期末資本−期首資本=当期純利益(又は当期純損失)


 上記の公式で当期純利益を計算することを財産法(ざいさんほう)と呼んでいます。

 最後に難しい話になりますが、もし損益計算書と貸借対照表を常に同じ日に同時に作成すると損益計算書で計算した当期純利益と貸借対照表で計算した当期純利益は魔法のように必ず一致します。ここでは、軽く聞き流しておいても結構です。


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