どうもお久しぶりです(笑)
生きてるのか死んでるのか自分でもよく分かりませんでしたが、久しぶりに更新してみたいと思います。
ご存知、平成28年度より日商簿記検定が改定して出題範囲が大きく変更となります。特に簿記2級はかなりの破壊力で変更が予定されています。あまりに影響が大きい事を考慮して平成28年、29年、30年と3年掛かりで変更されるようです。
内容も税効果会計や連結会計など本来1級の項目が2級の範囲になったり難化傾向にあると思うのですが、受験生の皆様においては決して動揺する必要は無いと思います。いくら難しくなると言っても2級以下は競争試験ではありませんので、今まで通り合格率を20%~50%のレンジで収めるように調整してくるであろうと予想されます。つまり商簿が難しくて点数を稼げないと思われる改正直後なら工業簿記がやたら易しくなるような問題を出題してくるのではないでしょうか?
全然普段通りで大丈夫ですよね(^ω^)
今回は今まで出題されたことのないクレジット売掛金について触れてみたいと思います。
その前にクレジットカードはご存知でしょうか。
実際に普段使っている人ならばイメージしやすいかも知れませんが、高校生などの学生さんだとなかなかイメージ湧きませんよね。クレジットカードは主にショッピング等でお金を持たなくても買い物が出来る魔法のカードです。こんなカードがあったら誰だって欲しいと思いますよね(笑)
もちろん買い物で買った分のお金は後で支払わないとダメなんですよ。
世の中そんなに甘くはないようです(^^)
とりあえず簡単な仕組みを学びましょう。
上図はクレジットカードを利用して買い物をする仕組みを図解しました。
簡単に言うと、カード会社が消費者の購入代金を立て替えてお店に後日支払います。お店側からするとお客さんに対して売り上げた代金をカード会社から受け取るイメージとなります。買い物をした消費者は後日カード会社に対して代金を支払います。
簿記検定で出題されるのは、お店の立場として出題されるのでまずはそこをガッチリ押さえて下さいね。
要するにダイコンを持ってるおじさんが簿記検定では主役。消費者やクレジット会社は全く関係ありません。
そしてお店の立場として考えると売り上げた代金は後日カード会社から入金されるので直ぐに受け取れませんよね?つまり掛けで商品を売ったのと同じようなイメージになりませんか?
それが理解出来ればOKです。
簿記検定で出題されるのはお店の立場である加盟店が主役です。しつこいですが、ここは大事な所ですよ。
お店(上図の○○商店)としては登場人物がお客さんとかカード会社とか複数居るので混乱しますが、要は売り上げた商品代金が貰えてない時点で掛けが発生している、つまり売掛金が発生しているのです。そのクレジットカードを利用して売った商品の掛け金を「クレジット売掛金」と呼んでいます。ここまでは大丈夫かな?
さて、ここで疑問に感じませんか?
どうしてカード会社は消費者の買い物を立て替えまでして払ってあげるのでしょうか。何か得すると思いますか?でも何も無いのにこんな事するとは思えませんよね。カード会社も会社である以上は儲けが欲しいはずです。ちょっと考えてみて下さい。
実は、消費者からはお金を立て替えてあげたお礼として立替手数料を、そしてお店からも本来お金が無くて買えない人を立て替えてまでして購入させたのだから売上手数料を貰っているのです。なんかちゃっかりしてますよね。
消費者から貰う手数料は、カード発行手数料・年会費などという名目で受け取ってます。また、分割払い等をした場合は金利もちゃっかり消費者から貰ってるんですよ(笑)
でもこれは簿記検定とは関係ないので覚える必要はありません。主役はダイコンおじさんです。大切な事なので3回言いました(笑)
なので上記の必要無い知識は豆知識程度に受け止めて下さいね。
問題はお店がカード会社に払ってる手数料の方です。
お店がカード会社に払う手数料は会社の規模や業種により様々ですが、大体1%~10%の間で取っているんですよ。例えば飲食店は比較的手数料が高めです。お店はこのカード会社に支払う手数料を「支払手数料」として処理します。
とりあえずここまで理解した所で想定問題を1題解いてみましょうね。
解けましたか?
イメージ出来ていれば仕訳の主人公が誰で、どんな仕訳になるのか難しくは無かったと思います。いずれにしても簿記2級で出題されるとしてもそれ程難しい項目ではなく、仕訳問題で出題されればしっかり得点源としたいところですね。
ところでどうでもいい豆知識ですが、消費者がクレジットを分割払いで購入した場合の仕訳はどうなると思いますか?実は消費者が分割払いにしようが、リボルディング払いにしようが加盟店はカード会社から一括で入金されます。なので割賦販売のような処理は一切行いませんし、例え消費者が代金を踏み倒してもカード会社からしっかり入金されます。お店からすればとても美味しいシステムなのですが、だからこそ高い手数料を取れるんでしょうね。
クレジットの普及に伴い、割賦販売みたいなリスクの高い販売方法はほぼ見掛けなくなりました。電話会社がスマホを割賦契約で販売しているのは有名な話ですが、お店と消費者の二者間で割賦販売契約を結ぶ販売スタイルはもうそんなに多くないと思います。日商2級で出題された特殊商品売買も意外とレアなケースなので2級から消滅したのも納得でしょうか。
ちなみにほぼ100%回収されるクレジット売掛金ですが、これって貸倒引当金の設定対象になるのか興味深いところです。いずれにしても問題文で指示があると思うので、総合問題で出題されればそれに従うまででしょうね。