貸借対照表とは何だろう
皆さん、こんにちは。いよいよ具体的な内容に触れていくことにしましょう。
簿記を学ぶ上で、覚えなければならない帳簿や計算書がこれから次々に登場します。以前も触れたと思うのですが、会社で行う複式簿記はお金の管理はもちろんのこと、それ以外の色々なものも管理していきます。必然的にその量は膨大な量になり、とても覚えきれるものではありません。そこで色々な帳簿や計算書が登場します。まずは大まかなものから学んでいきます。そして徐々に枝葉のことについて見ていくことにしましょう。まずは貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)と呼ばれるものを学んでいきましょう。くちびるを噛みそうなややこしい名前ですが、今は無理して覚える必要はないでしょう。
貸借対照表は会社の財産状況などを表す
貸借対照表というのは簡単に言うとある時点で会社の財産の状況を表す一覧表です。お金もそうですし、商品や店舗などの不動産も価値がありますね。ただ財産だけの一覧表だと勘違いする恐れもありますよ。つまりいくらお金をいっぱい持っていても全部借金だったらあまり凄いとは思わなくないですか?あの人年収1億円だけど、借金も5億あるとか言われたら現時点ではあまり印象良くないですよね(笑)なので、その財産をどのように調達したのかっていう一覧も合わせて表示します。
資産について
一番上の黒板を見て頂きたいのですが、貸借対照表には3つの大きな要素があります。「資産」・「負債」・「資本」の3つです。このうち資産の内容について見ていきます。実はその名の通りで会社の所有する資産、つまり財産だと思って頂いていいと思います。お金・預金・商品・備品・土地建物の他に資産を受け取る権利(いわゆる債権)も資産に含まれます。これらは会社の目的であるお金儲けを行うのに必要なものです。
資産=財産
さて、上の黒板をもう一度見て頂きたいのですが、資産はT字をした境界線の左側に書いています。そして右側には負債と資本が書かれています。つまり資産の対に負債と資本があるのですが、どうでもいいようで結構重要なんです。後でも触れるので覚える必要はありませんが、資産(財産)があるのには当然理由があるわけで、負債や資本はその理由の部分(つまり調達源泉)になるのです。また、左と右の大きさは必ず同じとなります。
負債の内容について
今度は貸借対照表の右側、まずは負債について学ぶことにしましょう。資産が財産と例えるならば、負債は簡単に言うとずばり「支払義務」です。例えばお金を借りた時に発生する借入金やお金は後払いで商品などを仕入れた時に発生する買掛金・未払金、そして支払手形などが負債となります。負債は「支払義務」ですから会社にとってはあまり嬉しいものでは無いようなイメージになりますよね。それと同時に資産の調達源泉を表し、資産と負債は対極にある関係と言えます。少し難しいとは思いますが、軽くイメージ出来れば先に進んで結構です。
負債は会社の支払義務!
資本の内容について
最後に資本を見ていきましょう。資本とは何でしょうか?黒板では負債と同じく右側になっていました。ここでは難しいことはいいません。「元手」だと覚えてください。いわゆる出資金ですね。負債と同じく資産の調達源泉を表すのですが、借入金などの負債と違って支払義務はありません。ここが負債と大きく違うところです。また、資産と負債の差額で会社の正味財産を表しているとも言えます。何となくイメージ出来ればここでは十分です。
資本は元手であり正味財産でもあります。
※参考
参考までに、貸借対照表等式と呼ばれる公式と資本等式を掲載しておきます。貸借対照表は別名「バランス・シート」と呼ばれ左側である資産と右側である負債・資本の合計と必ず一致します。今の段階ではその理由まで覚える必要はありませんが、なんとなくでいいので頭の片隅にでもとどめて頂けると幸いです。
◎資産=負債+資本(貸借対照表等式)
◎資本=資産-負債(資本等式)