当期純利益の計算

  • HOMEへ戻る
  • 簿記入門講座
  • 簿記3級講座

目次と旧講座

目次

  • ガイダンス
  • ようこそ!簿記の世界へ
  • 単式簿記とは
  • 複式簿記とは
  • 貸借対照表
  • 損益計算表
  • 当期純利益の計算
  • 取引と仕訳
  • 勘定
  • 試算表
  • 精算表
  • 決算整理
  • 帳簿の締め切り
  • 帳簿の開始記入

旧簿記講座

  • 旧簿記講座
当期純利益の計算

会計期間と当期純利益

皆さん、こんにちは。6日目になりましたが、今までの項目はしっかり理解されましたでしょうか。 前回の冒頭で会計期間についてお話しました。会社の儲けである経営成績を求めるには、一定期間ごとに区切る事が必要だと学ばれたと思います。この一定期間の始まりのことを簿記では期首(きしゅ)と呼びます。また、一定期間の終わりのことを期末(きまつ)と呼んでいます。今後、この用語は頻繁に出てきますのでしっかり覚えてください。そして、この一定期間の儲けである純利益のことを当期純利益(とうきじゅんりえき)と呼びます。前回の復習ですが、純利益は収益から費用を差し引くことにより求めました。そこで期首から期末までの一定期間の純利益を求めることを当期純利益を計算するといいます。
会計期間を区切る

損益法と当期純利益

ここまでの流れから簿記の目的はどうやら会社の当期純利益を計算することなのかな?と思われたあなたは見込み大です!もちろんイメージ出来なかったからといって落ち込む必要はありませんよ。簿記講座の最初では、お金を計算することが簿記の目的でした。しかし、ここまで読んだあなたは、当期純利益を計算することが簿記の目的かなと思い始めました。これは凄い進歩なのですよ!当期純利益の計算は、ここまで読まれたなら解る方もいるかもしれません。そうです、期首から期末まで(一定期間)の純利益を求めればいいのです。つまり当期収益から当期費用を差し引けば当期純利益が求まるのです。
期首と期末
収益や費用は損益計算書の項目でした。このような利益の求め方を損益法(そんえきほう)と呼ばれています。また当期純利益がマイナスになった場合は当期純損失となるのです。
当期純利益の計算

財産法と当期純利益

一定期間の儲けである当期純利益は、ネタばれするようで申し訳ないのですが、会社の正味財産をその分だけ増えていることになるのです。まあ何を言ってるのかこれでは分かりませんよね(笑)とりあえず理解は後回しにして黙ってそのまま先に進んでください。大分前の話になりますので覚えているか微妙だと思いますが、正味財産は元手である資本金だと説明したのを覚えていますか?もし忘れている場合はもう一度4-4資本の内容についてを見直してみてください。つまり結論から言うと、儲けが増えればその分の元手が増え、正味財産である資本金が増加するのです。これは言い換えると期末資本金から期首資本金を差し引いた金額が、一定期間の純利益である当期純利益だということになるのです!
はやしくん熱血指導
また、資本金は総資産から総負債を差し引いて求めることから純資産(じゅんしさん)とも呼ばれています。つまり正味財産は資本金であり純資産でもあるのです。このように期末と期首の資本金の増減から当期純利益を求める方法を財産法(ざいさんほう)と呼んでいます。恐ろしいことに損益計算書だけでなく、期末と期首の貸借対照表からも当期純利益が計算できるのです。これって凄いことなんですよ!
財産法は正味財産の増減で計算

当期純利益のまとめ

当期純利益は損益計算書で計算する一定期間の利益であり、また、貸借対照表で表示される資本金(純資産)が一定期間で増加した金額であると言えます。結論から言うと損益計算書と貸借対照表は密接に結びついている事になるのですが、最後に具体的な例を挙げてイメージして頂ければと思います。また競馬の話で申し訳ないのですが(笑)、あなたは競馬場に行って大儲けしようと野望を抱いていたとします。財布の中身は10万円です。ここをスタート(期首)として競馬場に行きます。全レースを終えて競馬場を出た時(期末)に財布の中身を確認したら11万円になってました。簿記を知らなくても1万円が儲かった金額だと分かりますよね?このようにして儲けを計算する方法は財産法的な計算だといえます。スタートの時点では現金10万円(資産ですよ!)の元手(資本ですよ!)で競馬場に行きましたが、終わってみれば現金11万円と資産が増えました。元手は10万円でしたから1万円が正味財産の増加、つまり純資産である資本金の増加になります。

費用は収益を得るために必要な物。

この方法だと確かに儲けが1万円あったことが分かります。確かに結果オーライなのですが、いまいち釈然としませんよね。そこで冷静に儲けの内容を調べて見ることにしました。すると驚いたことに全レースで合わせて10万円分の馬券を購入していたのです!何と愚かなことをするのでしょうか。全部外れたら帰りの交通費はどうするつもりだったのでしょうか?まあ、それはそれで置いといて、最後に全馬券を換金したら幸いにもいくつか的中して11万円になって返ってきたようです。どうですか?イメージ出来てる人も多いかもしれません。そうです!つまり馬券の購入代金は収益を得るための支出であり費用となるのです。そして的中馬券を換金して得た11万円は収益というイメージで結構です。思い出してください・・・儲けは収益から費用を差し引いて求めるのでしたね!つまり11万円から10万円を差し引いた1万円が今日一日(一定期間)の戦果(純利益)になるのです。換金した11万円は収益であり、儲けで無いことは以前にお話しましたね。少し無理のある例えでしたが、イメージしやすくしてるだけなので細かいことは無視してください(笑)あくまで当期純利益の計算方法には財産法と損益法の二つから求められることをイメージ出来ればOKですよ。
財産法と損益法