売掛金と買掛金、未収入金と未払金の処理(日商簿記3級)

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目次と用語解説

目次

  • ガイダンス
  • 現金の処理
  • 当座預金の処理
  • 当座借越の処理
  • 現金過不足の処理
  • 小口現金の処理
  • 三分法の処理
  • 分記法の処理
  • 約束手形の処理
  • 手形の裏書き及び割引き処理
  • 有価証券
  • 固定資産
  • 債権債務1
  • 債権債務2


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売掛金と買掛金、未収入金と未払金

売掛金と買掛金

ここまでいかがでしょうか。少し有価証券や固定資産など重たい項目が続いて大変だったと思います。今回はボリュームも難易度も少し軽めの項目ですから、肩の力を抜いて読んで下さいね(笑)

 それでは今回から簿記で登場する債権債務について順番に学んでいきましょう。まず、債権債務って何だろうと思いませんか?債権は将来現金などを受け取る権利、債務はその逆で将来現金などを支払う義務とイメージして下さい。ここまでも色々な債権・債務は既に登場しているのですが改めて重要そうなものを学習していきます。一つ一つマスターしていきましょう。

 売掛金(うりかけきん)買掛金(かいかけきん)については既に何度も登場しているので、何となく理解されている方も多いと思います。今更ですが改めて確認していきましょうね。

 売掛金とは、その会社の主な営業取引で生じた掛けの売上債権のことを言います。・・・と言われてもなんのこっちゃって思いますよね(笑)簡単に言うと後払いで商品を売った時に後から代金を受け取る権利を表す勘定をいいます。相手を信用して商品を売るなんて凄いですよね。このような取引方法を「掛けで販売した」とか「ツケで販売した」なんて言ったりしますよ。

  この掛代金のことを売掛金(資産項目)と呼んでいます。

 買掛金は売掛金と逆で、後払いで商品を仕入れた時に後から代金を支払う義務があることを表す勘定をいいます。買掛金も相手が信用して商品を売ってます。このように代金を後で支払う売買取引を信用取引と呼んだりします。売掛金と同じく後払いで仕入れることを「掛けで仕入れた」とか「ツケで仕入れた」なんて言います。

  この掛代金のことを買掛金(負債項目)と呼んでいます。

 売掛金も買掛金も商品売買のところで何となく使っていたとはいえ、改めて確認しておくと次に学ぶ未収入金と未払金の違いもすぐに理解出来ると思います。それでは確認の意味も含めて練習問題を解いてみましょうか。

練習仕訳問題

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いかがでしたでしょうか。あまり簡単な問題よりも今までの復習を兼ねて少し難しくしてみました。基本的に本問だけでなく、腕試し練習問題はどれも難しいので出来なくても全く気にする必要はありませんよ。最初のうちは答えを見ながらでもいいので、どうしてそのような仕訳になるのかじっくり考えながら進めて下さい。問題文の掛けというキーワードに上手く反応出来たでしょうか?売掛金と買掛金は商品売買に必ずと言っていいほど登場する勘定です。しっかりマスターして下さいね。

未収入金と未払金

次に売掛金と買掛金と似ていますが、同じく掛で信用取引として使う債権債務の勘定科目をみていきましょう。今回の学習項目は未収入金(みしゅうにゅうきん)未払金(みばらいきん)です。

 未収入金と未払金も先程の売掛金と買掛金と同様に掛けで発生した債権債務です。しかし、売掛金と買掛金は主たる営業活動から生じた取引、つまり商品を売買した取引であったのに対して、未収入金と未払金は主たる営業活動以外の取引、つまり商品以外のものを売買したときに発生する債権債務という違いがあります。

 具体的には前回までに学んだ有価証券や固定資産の売買が挙げられます。例えば野菜を売る八百屋さんが有価証券や固定資産を売買することは主たる営業活動とは違いますよね。そりゃあ、たまに建物や車などの固定資産を売ったり買ったりすることもあるかもしれません。しかし、建物や車は八百屋さんが売ってる商品じゃありませんよね。このように、商品以外の物を掛で売ったり買ったりした時に使うのが未収入金と未払金なのです。

 しかし、その会社が自動車販売店だったらどうでしょう?お客様に売る目的で仕入れた車は商品と言えませんか?この場合は主な営業活動と呼べます。このように主たる営業活動から生じた債権債務なのか、営業活動以外から生じた債権債務なのかで扱う勘定科目が違ってくるだけの話です。面白いでしょう?(笑)

それでは練習問題を解いて理解を深めましょう。

練習仕訳問題

解答を表示する

 
こちらは全て商品以外のものを掛で売買している取引になります。有価証券や固定資産の売買では、掛とは言わずに具体的な日付や期間を示して、後日受け取る又は支払うみたいな言い回しが多いです。売掛金と未収入金、買掛金と未払金の使い分けを間違える方はあまり居ないと思います。売掛金は売上とセットで覚えますし、買掛金は仕入とセットで覚えるのでそれ以外の組み合わせになると違和感があるのかもしれませんね。

信用の違い